2008年08月07日
就業規則シリーズ⑤~こんな落とし穴が! 第4話 社員が“問題行動”! その規定対応できますか!
平成16年1月1日より、労働基準法が改正され、解雇に関する条文が新設されました。 そして、平成20年3月1日労働契約法の施行に伴い、条文が労働契約法に移行されました。
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労働契約法 第16条(解雇)
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする
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解雇に関する紛争が拡大している現状を考慮して、解雇に際して発生するトラブルを防止し、その解決を図ることを目的として最高裁判決で確定しているいわゆる「解雇権濫用法理」が法律に明記されました。
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【代表的な判例】
① 会社が労働組合とのユニオンショップ協定に基づき、労働組合を除名された労働者を解雇したが、除名が無効とされた場合の解雇の効力につき、他に解雇の合理性を裏付ける特段の事情がない限り、解雇は解雇権の濫用として無効とされた事例 (日本食塩製造事件最高裁 S50.4.25)
② 放送会社のアナウンサーが寝坊してラジオニュースを放送できなかったことを理由とする解雇が、同人に有利な諸事情に鑑みると、必ずしも社会的に相当なものとして是認することはできず、解雇権の濫用として無効であるとした事例 (高知放送事件 最高裁 S52.1.3)
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又、同じく平成16年1月1日の、労働基準法改正により、就業規則への解雇事由の記載(第89条第3号)が必要となりました。それと同時に労働契約締結時における解雇事由の明示(第15条)そして、解雇された従業員から解雇事由を記載した証明書の交付を請求された場合についても、解雇事由を記載した証明書を発行しなければならない(第22条第1項)
つまり、解雇事由明記の必要性は、①就業規則作成時 ②労働条件明示時 ③解雇事由証明時と、法改正により3拍子そろったというワケです。それだけに具体的事由の定めが今後も重要であることになります。
判例を見ていただいた方にはお分かりでしょうが、解雇は容易ではありません。解雇は、ただ30日前に予告すれば良いと思っていらっしゃるとしたら、認識を改めていただく必要があると思います。解雇は手順さえ踏めば、会社は社員を自由に解雇できますが、その解雇にあたり「正当な理由」が必要、それがない場合は出るところに出たとき(民事訴訟) 「解雇権濫用」俗に言って「不当解雇」として敗訴しかねません。
労働者保護の観点から、その解雇が苛酷過ぎないかどうかをあらゆる事情を考慮して判断するという「解雇権濫用の法理」があるということを常に忘れてはいけないと思います。
また圧倒的多くの紛争について、使用者側に主張立証責任を負わせている現在の裁判上の実務があることも注意が必要です。
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労働基準法 第89条(作成及び届出の義務)
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に揚げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。
1.・・・・・
2.・・・・・
3.退職に関する事項(解雇の事由を含む)
以下略
労働基準法 第15条(労働条件の明示)
使用者は、労働契約の締結に際し、・・・・・労働条件を明示しなければならない。
則第5条第4号
退職に関する事項(解雇の事由を含む)
労働基準法 第22条(退職時等の証明)
労働者が退職の場合において、使用期間、・・・、・・・、賃金又は退職の事由
(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む)について証明書を請求した場合においては、使用者は遅滞なくこれを交付しなければならない。
以下略
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<就業規則規定例>
第○条(解雇)
社員が次の各号の一に該当する場合は解雇とする。
(1)精神又は身体の障害もしくは虚弱・傷病によって、業務に耐えられない、または労務提供が不完全であると会社が認めたとき
(2)勤務成績又は業務成績が不良で、向上の見込みもなく他の職務にも転換できない等、 就業に適さないと認められたとき
(3)勤務状況が不良で改善の見込みがなく、社員としての職責を果たし得ないと認められたとき
(4)非協力的で協調性がなく、注意・指導しても改善の見込みがないと認められたとき
(5)試用期間中又は試用期間満了時までに、従業員として不適格であると認められたとき
(6)重大な懲戒事由(※)に該当するとき、又は服務規律に違反したとき
(7)事業の縮小その他やむを得ない業務の都合によるとき
(8)天災事変その他やむを得ない事由のため事業の継続が困難となったとき
(9)その他前号に準ずると認められるとき
(ほんの一例)
※ 懲戒事由
就業規則の懲戒規定で定められていない事項については基本的に懲戒することができません(罪刑法定主義)
ですから社員が問題行動を起こしたときに対応できるように全ての事由を具体的に列挙する必要があります。
なお、多くの裁判例において整理解雇する場合には、次の4要件が必要であるとされています。
①人員削減の必要性(特定の事業部門の閉鎖の必要性)
②人員削減の手段として整理解雇を選択することの必要性(解雇回避のための配置転換等をする余地がないこと)
③解雇対象の選定の妥当性(選択基準が客観的・合理的であること)
④解雇手段の妥当性(労使協議等を実施していること)
大丈夫? あなたの会社の就業規則
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