2010年12月27日
年金5年ぶり減額 来年度0.3%国民年金で月200円
政府は20日、2011年度の公的年金支給額を5年ぶりに引き下げる方針を決めた。仙谷由人官房長官、玄葉光一郎国家戦略相や細川律夫厚生労働相ら関係閣僚が協議して引き下げの考えで一致、菅直人首相も了承した。引き下げ幅は0.3%程度となり、満額を受け取っている人の場合、国民年金で1人あたり月200円程度、厚生年金は夫婦どちらか一方が働く家庭で月700円程度となる見通しだ。玄葉戦略相は協議後、引き下げを決めた理由について「将来世代につけをまわしてはいけない」と語った。
【年金引き下げ 影響は】
Q:年金が減額となる対象者は?
A:国民年金や厚生年金、共済年金の公的年金をもらっている人が対象となる。国民年金で満額(10年度で月6万6008円)もらっている人なら、月額200円程度、年額2400円程度減る。夫が厚生年金に加入した標準的な夫婦(夫が平均的な収入で40年働き、妻が専業主婦で月23万2592円)なら、月700円程度、年8400円程度下がる。
Q:適用はいつから?
A:11年4,5月分の年金をもらう6月支給分から適用になる。年金が多い人も少ない人も、全ての人の公的年金が対象になる。正式な年金額は毎年1月に厚生労働省が発表している。
Q:減額するかどうか、どう決めるの?
A:次年度の年金額は前年の全国消費者物価指数(CPI)の変動を反映させて決めている。11年度の年金額は、10年の全国CPIを05年の全国CPIと比べる。下回れば、年金額を減額することが法律で決まっている。物価が変動しても年金の実質的な価値を変えないための仕組みで「物価スライド」と呼ぶ。かつてはインフレ時の年金額引き上げに適用されたが、最近はデフレ傾向が強く、減額もするようになっている。ただ、過去(00~02年度)に物価が下がっても、年金額を据え置いたことがある。
Q:年金額が下がらない可能性は?
A:ルール通りに実施すれば年金額は下がる見通しだった。ただ、菅直人首相が細川律夫厚労相に年金額の据え置きを含めた検討を関係閣僚で協議するよう指示した。来春の統一地方選への影響を懸念したようだ。
物価も賃金も下がっているのに、年金だけ据え置けば、実質的に引き上げと同じことになる。将来的には現役世代である若年層の負担につながる。「負担と給付のバランスから成り立つ制度の根幹をゆがめる」との批判が上がっていた。







